皆さんは、マイナンバーカードを健康保険証として利用出来る制度「マイナ保険証」についてご存知でしょうか?通常、病院や薬局を利用する際は保険証の提示が必要ですが、一部の医療機関ではマイナンバーカードで代用することが出来ます。
今回は、この「マイナ保険証」について説明させていただきます。
1. 特定健診・薬剤情報などを確認出来る
マイナンバーカードでの受付は、カードに内蔵されたICチップをカードリーダーで読み込むことで行われます。
この際、他の医療機関で実施した健診結果や、処方された薬剤の情報などを確認出来ます。
これらの情報により、薬剤師が「この患者様は腎臓の機能が悪いから、薬の量が多いかもしれない」とか、「他の病院でもらっている薬と飲み合わせが良くない」というように、健康被害を未然に防ぐことが期待されます。
また、患者様自身もマイナポータルからこのような情報を確認することが出来ます。電子版お薬手帳との連携なども可能となっています。
2. 自己負担金が安くなる
下表は調剤薬局における調剤管理料の比較です(医科・歯科の場合と点数が異なりますのでお気をつけください)。
マイナ保険証を利用することで、患者様にとって自己負担金が安くなるというメリットがあります。
マイナ保険証を活用出来るシステムが整備された調剤薬局では、この加算を6ヶ月に1回算定することが出来ます。
マイナンバーカードで受付し情報提供に同意した場合、点数が低くなり自己負担額が安くなります。
3. マイナ保険証のデメリット・注意点
ここまでマイナ保険証のメリットについて解説してきましたが、デメリットも僅かながらあります。
必ずしも全ての医療機関で利用出来る訳ではありません。また、ICチップを読み込むという仕組みである以上、システムエラーが発生した際は利用出来ないという注意点も挙げられます。
利用する際は、こういった側面も理解しておく必要があります。
なお、健診結果や薬剤情報等の個人情報漏洩を心配される方もたくさんいらっしゃるかと思います。もちろんゼロではありませんが、利用するにはパスワードや顔写真で本人確認が必要となるため、悪用されるリスクは決して高くないと考えられます。
4. マイナ保険証の手続き方法
マイナ保険証を利用するには、事前に手続きが必要になります。
方法としては、以下の2種類があります。
① セブン銀行ATMで申し込む
② マイナポータルからスマホ・パソコンで手続きをする
いずれにしても難しいものではありませんので、好みの方法で進めていただければと思います。
5. まとめ
今回はマイナ保険証の仕組み・特徴などについて解説させていただきました。
政府は2024年秋に現行の保険証を廃止と発表しており、マイナ保険証への完全移行を目指しています。私も調剤薬局に勤務していて、最近はマイナ保険証もだいぶ浸透して利用される患者様が増えてきた印象があります。
まだ切り替えを済ませていない方にとって、このコラムがきっかけとなって手続きを検討していただけますと幸いです。
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