皆さんこんにちは!
あすかコラム12月号は、計量混合調剤加算について詳しく触れていこうと思います。
Part1(2020年11月号)で触れた自家製剤加算と似ているところもありますが、算定要件が異なりますので、そこも含めてお伝えしたいと思います。
1. 計量混合調剤加算とは
以下の条件を満たした際に、計量混合調剤加算として所定点数の加算(調剤料加算)が認められます。
2種以上の薬剤(液剤、散剤若しくは顆粒剤又は軟・硬膏剤に限る。)を計量し、かつ、混合して、内服薬若しくは屯服薬又は外用薬を調剤した場合は、計量混合調剤加算として、1調剤につきそれぞれ次の点数(予製剤による場合はそれぞれ次に掲げる点数の100分の20に相当する点数)を各区分の所定点数に加算する。
イ 液剤の場合 35点(予製の場合は7点)
ロ 散剤又は顆粒剤の場合 45点(9点)
ハ 軟・硬膏剤の場合 80点(16点)
2. 計量混合調剤加算と自家製剤加算との違い
自家製剤加算は、個々の患者に対し市販されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫を行った場合に算定するとされています。(PART1参照)
自家製剤加算•••技術的により難易度の高い製剤行為。
・錠剤を割線に沿って分割する。
・錠剤を粉砕し、散剤にする。
・主薬を溶解して点眼剤を無菌に製する。
・主薬に基剤を加えて坐剤にする。
※製剤行為の結果、原則として剤形が変化したもの
計量混合調剤加算•••それ以外の基本的に剤形が変化しない製剤行為。
3. 計量混合調剤加算の算定例
例1) 混合した薬剤がある場合
アスベリン散10% 0.3g
カルボシステインDS50% 0.9g
ペリアクチン散1% 0.3g
1日3回 毎食後 7日分
この場合は、散剤の計量混合調剤加算(45点)が算定出来ます。
日数に関係なく調剤した個数に応じて算定するので、仮に14日分でも45点に変わりありません。
例2) 混合した薬剤が複数ある場合①
アスベリン散10% 0.3g
カルボシステインDS50% 0.9g
ペリアクチン散1% 0.3g
1日3回 毎食後 7日分
セフジニル細粒10% 1.3g
ミヤBM細粒 1.3g
1日3回 毎食後 5日分
この場合ですと、計量混合調剤加算を2回算定出来ます(45点×2)。
計量混合調剤加算は「1調剤につき」算定出来るものであり、「1調剤」とは調剤行為ごとの単位を表すものなので、用法が同じでも日数が異なる場合はそれぞれを1調剤とカウントすることが出来ます。
例3) 混合した薬剤が複数ある場合②
アスベリン散10% 0.3g
カルボシステインDS50% 0.9g
ペリアクチン散1% 0.3g
1日3回 毎食後 5日分
セフジニル細粒10% 1.3g
ミヤBM細粒 1.3g
1日3回 毎食後 5日分
この場合ですと、処方は分かれていますが、日数・用法が同じ場合1調剤とカウントされるので、計量混合調剤加算は1回しか算定出来ません。
例4) 分包品を用いる場合
オロパタジン塩酸塩顆粒0.5% 1g
プランルカストDS10% 1.05g
1日2回 朝・夕食後 7日分
この場合、計量混合調剤加算を算定出来る場合と出来ない場合があります。
オロパタジン塩酸塩顆粒は0.5g/包の分包品がありますので、それを用いた場合には算定出来ません。ただし100g包装のバラ品を用いて、プランルカストDSと混合した場合には算定出来ます。
例5) シロップ剤の場合
アスベリンシロップ0.5% 4mL
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩シロップ0.04% 3mL
カルボシステインシロップ5% 6mL
1日3回 毎食後 5日分
散剤同様日数に関係なく調剤した個数に応じて算定します。
この場合は、液剤の計量混合調剤加算(35点)が算定出来ます。
例6) 軟膏剤の場合
アンテベート軟膏0.05% 25g
ヒルドイドソフト軟膏0.3% 5g
1日数回 患部に塗布(2剤を混合)
軟膏を混合した場合は、80点を算定出来ます。軟膏にかかわらずクリームも同様です。
※計量混合調剤加算は、「1調剤につき」算定出来るので、混合した数だけ算定出来ます。
調剤料に関しては3剤を超えるものは算定出来ませんが、計量混合調剤加算については数の上限はありません。
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